今だから『楽園追放』のすごい所を挙げてみる

(C) 東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサエティ

先日、2017年3月26日にTOKYO MXで『楽園追放 -Expelled from paradise-』が放送されました。

楽園追放とは、2014年11月15日に全国でわずか16館しか劇場公開されなかった、フルCGアニメです。つまり、2年と少しの時を経てついに地上波放送が実現されたわけです。

監督は水島精二氏、脚本は虚淵玄氏で、原作は東映アニメーション。アニメーションはグラフィニカが製作しました。

当時、『Fate/Zero』『まどか☆マギカ』の脚本を担当した虚淵玄氏がこの楽園追放の脚本を担当しているとネットで知り、「これは見なければ!」と思いその夜すぐさま劇場に向かいました。虚淵さんと言えば、一時期はバッドエンドしか書けなかったなどの話で有名で、海外アニメファンのによってウロブッチャー(※)という単語が造語されるほどです。

(※) urobutchere(虚淵する) = Urobuchi(虚淵) + Butcher(虐殺者)

いろいろな期待を持って映画を見た私でしたが、鑑賞後にその期待はいい意味で裏切られ、後から調べるうちにこの楽園追放の魅力に次第に気づいていくことになりました。

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その1 セルルックのフルCGアニメ

この作品で最大の特徴といえるのは、なんと言ってもフルCGアニメであるということでしょう。

フルCGのアニメーションと言えばディズニーやピクサーといった作品が頭に浮かびます。ですが、これらの作品は西洋文化に根ざしたリアルな質感が要求され、これは漫画文化を基礎とした日本のアニメとの文化的差異と言えるでしょう。もちろんディズニー、ピクサー、ドリームワークスもアニメ-ションとして素晴らしい作品なのは言うまでもありません。

一方で、楽園追放も最初から最後までCGで描かれています。しかし、その見た感じはリアルな質感を持ったものではなく、手描きアニメーション(セルルック)の様な質感が見事に再現されています。劇場で見た際も違和感はほとんど感じられず、最初数分はCGであることに気づかなかったほどです。驚いたのと同時に、「CGの技術ってここまで進んでいるのか!」っと感動してしまいました。

(C) 東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサエティ

テレビアニメでは『シドニアの騎士』や『蒼き鋼のアルペジオ』がフルCG作品として有名ですね。

その2 迫力ある戦闘シーン

この作品ではアーハンと呼ばれる戦闘パワードスーツが登場します。

ちょうど物語の佳境に入る頃に戦闘シーンがありますが、なんと板野一郎氏がモーションアドバイザーとして作品に参加されています。そしてこの戦闘シーンでCGの板野サーカスを見ることができるのです。これだけでも見る価値は存分にあるでしょう。

こちらの記事で板野氏が現在、次世代の育成に力を注いでいることが分かります。その結果が楽園追放の板野サーカスの表現になったのでしょう。

…ここのインタビューってSHIROBAKOで語られていたこととホント一緒やな。

(C) SHIROBAKO製作委員会

その3 希望が持てるストーリーとエンディング

ストーリーはネタバレになりますので書きませんが、私が特に良かったと思う所は、お話が進むに連れて変わっていく、主人公アンジェラの心境と価値観です。キーとなるキャラクターはメインヒロイン、アンジェラ・バルザック三等官、その相棒、ザリク・カジワラ(通称、ディンゴ)。そして、謎のハッカーフロンティアセッターの三人ですが、最初アンジェラはディーバという監視社会の価値観にゴリゴリに染まりきっています。

ですが、任務として地上に降下し、ディンゴとともに協力して捜査を進め、さらにフロンティアセッターとの接触によって次第にその心境を変化させていきます。(その後に決定的な出来事が起こるのですがそれは直接視聴して確認してみましょう。) 正直なところ、ありきたりと言えばありきたりなストーリーなのですが、CGという新鮮さも手伝い、何か見ているこっちまでも新たな価値観に感化されている様な雰囲気にさせてくれます。

あと、アンジェラの格好、衣装が魅力的。これは言わずもがなでしょう。

脚本は虚淵さんのですが、お話としては『Fate/Zero』や『まどか☆マギカ』のような鬱々とした話ではなく、総括して見てみるとグッドエンディングな感じです。これからの3人の未来に希望が持てる前向きなエンディングだったと言えます。

(C) 東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサエティ

その4 エンディングテーマ

そして、その流れでスタッフロールに入るのですが、この『Eonian』が個人的に最高にいい曲だと確信しています!

歌詞が作品の内容にマッチしており、サビの疾走感や高揚感は2年以上たった今でも背中がゾクゾクする感覚を覚えます。歌っているElisaさんの声質もこの歌にあっていて、聞いている内になんだか勇気が湧いてくるようなそんな気分にさせてくれます。

(C) 東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサエティ

もう2年以上も前の作品になりましたが、その魅力は今も色あせていません。Amazonプライムビデオ、Netflixでは配信されていますので、ぜひご覧になってください。きっと後悔はしないと思いますよ。

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